皆さん、お疲れ様です。
先日に東京ガーデンシアターで開催された『アイカツ!シリーズ10th ANNIVERSARY アイカツ!ミュージックフェスタ FINAL』に現地参戦してきたことでアイカツ!シリーズの一旦の終わりを目の当たりにしてきたため、今回は「アイカツ!シリーズはなぜオワコンになってしまったのか」という題目で私なりの解釈を入れて書いていこうと思う。これに関してはいくつも原因があると私は思っているため、アイカツ!シリーズがなぜオワコンになってしまったのか、興味がある方はぜひとも最後までお付き合いいただければと思う。
① 初代の人気が凄すぎた
まず大前提として、真っ先にこれが挙げられるだろう。初代である『アイカツ!』無印は600年を生きるドラキュラ伯爵の末裔という強烈なキャラクターを持つ上にゴシック系ブランドを愛するアイドルの藤堂ユリカ様の登場と共にその人気に火がつき、そこから売上も右肩上がりとなり1年目終了まではアイドル育成学校で一強だったスターライト学園に対抗できる勢力であるアイドル学校のドリアカことドリームアカデミーのアイドル達やそんなスターライト学園とドリームアカデミーの2大アイドル学校の勢力とも肩を並べる実力を持つユニットであるWM(神崎美月と夏樹みくる)が登場してくる12の星座ドレスを中心としたシリーズ2年目にあたるシーズンの人気はなんとあのプリキュアシリーズを超えたくらいなのだ。ここがアイカツ!シリーズの全盛期といっても過言ではないだろう。
添付画像にもあるようにアイカツ!シリーズは初代の1年目から2年目にかけて人気と売上がドカンと上がり、その売上と人気があのプリキュアシリーズを抜いているのである(ちなみにこの時にもプリキュア勢も兼任していた私の仲間が言うには、アイカツに客を取られた影響が出たのか女児に人気であるはずのプリキュアショーは女児が少なかったんだとか)。
それだけ星宮いちごが主人公をやっていた頃の人気が凄かったということがわかるが、シリーズ3年目にあたるあかりジェネレーションでは売上がプリキュアシリーズ以下にまで急転直下で落ちてしまう。
このあかりジェネレーションでは主人公が2年目の終わりに初登場した、星宮いちごに憧れる新人アイドルである大空あかりに変わり、主要人物も新キャラクター達に変わっていくのだが、それと同時に星宮いちごやその周辺の人物がアニメにもほとんど登場しなくなった影響でファンが一気に離れたのか、あかりジェネレーションの初め頃にはリアルで行われていたミニライブも観に来ていた人が少なかったらしい。
これ以降はスターズ→フレンズ→オンパレード→プラネットと作品が1年や2年スパンで変わっていくのだが、いずれにせよ星宮いちごが主人公を務めていた『アイカツ!』の1年目と2年目の人気と売上を超えることができなかったことから、初代の人気が凄すぎたというのはアイカツがオワコンとなった原因の1つと言えるだろう。お笑い芸人で例えるならば、アイカツ!シリーズは一発屋になってしまったという表現もできる。
② 現行作品の人気や売上の面で困ったら公式がすぐに初代や過去作に頼るせい
これは上記にある「初代の人気が凄すぎた」ことに付随することなのだが、それ故に『アイカツスターズ!』以降のシリーズでは人気や売上の面が芳しくないと、すぐに人気と売上が一番良かった初代に頼るのだ。
例として、シリーズ5周年を迎えた『アイカツスターズ!』の時は筐体でキャラクター人気が高い星宮いちご、霧矢あおい、紫吹蘭のユニット「ソレイユ」のメンバーや神崎美月、藤堂ユリカ様に大空あかりがプレイアブル化したり、シリーズ5周年にかこつけてアニメで『アイカツ!』とのコラボ回を放送したりして、あかりジェネレーションになった時やシリーズがスターズに変わったタイミングでアイカツから離れてしまったファンを呼び戻そうとしていた。
「アイカツフレンズ!に変わってからは初代に頼ってなくない?」と思う人がいるかもしれないが、当時に筐体をプレイしていた私からすればシリーズの3作目にあたる『アイカツフレンズ!』の時は最初から初代とスターズに頼っていたと断言できる。というのも『アイカツフレンズ!』の筐体で遊べたモードの1つにアイカツ!ミュージアムというモードがあるのだが、ここでは『アイカツ!』及び『アイカツスターズ!』のキャラクターが使える上に曲もスターズ終了までで遊べたものを遊べるようになっていたのだ。本来ならばシリーズが変わったら筐体でもその作品のキャラクターしか使えなくなるのが普通だと思うのだが、最初から過去作のキャラクターが使えるモードがあった時点で現行作品の人気や売上が芳しくない時の保険として過去作に頼っていたと言えるだろう。
③ 運営のやり方が下手くそすぎたせい
これも上記と同じように公式側に言えることなのだが、アイカツ!シリーズは運営のやり方がとにかくド下手なのである。
ライブに至っては2017年以降に開催されているライブでは「大声や奇声、公演の妨げとなる大きな音を鳴らすなどの行為、過度なジャンプ行為、クラップ、 そして、MIXや口上などのコールは禁止」というレギュレーションを設けているのだが、ライブ中にそれらのレギュレーション違反をしていて退場処分になってもおかしくない輩がいてもスタッフはそれらを退場させずに注意するだけで済ますため、そういったレギュレーション違反をする輩が減らないのだ。それによって女児向け作品のライブの中ではアイカツが一番治安が悪いといわれる始末だ。
ちなみにライブ会場周辺での飲酒は禁止というレギュレーションも設けられているのだが、それすらも違反してライブ前に会場周辺で飲酒をする輩がいるのだ。それに関してはスタッフが注意すらしないため、今から5年前である2018年9月8日の『アイカツ!シリーズ5thフェスティバル!!』のDay1の時にある事件が起きてしまったことを覚えているアイカツ勢は多いだろう。
その『アイカツ!シリーズ5thフェスティバル!!』が行われた2018年9月8日と9日はまだ夏の猛暑も残るような灼熱の暑い日だったのにも関わらず、物販が野外という頭の悪すぎるセッティングだったのである。おまけに物販スタッフが色々といい加減な対応をしていたせいで1人あたり平均6時間待ちという「どこのディズニーだよ!?」というツッコミを入れたくなるくらいの待ち時間だったのである。(※6時間というのは東京ディズニーランドや東京ディズニーシーの人気アトラクションの混雑時の待ち時間と同等レベル)
こんなんじゃ熱中症で倒れる人が出てもおかしくないだろう?と思っていた矢先に事件は起こった。物販列に並んでいた1人が倒れてしまい、さらには意識がなかったことで救急車を呼んで救急搬送されるという事態にまで発展してしまったのである。この時に「救急車は物販のスタッフが呼んでくれたんだろうか?」と思っていたが、実際に救急車を真っ先に呼んだのは倒れた人の近くにたまたまいた人(しかも私の顔馴染みの人)だったと聞いたことで私は「スタッフは一体、何をやっているんだ!?💢」という怒りの感情を抱いた。さらには私のアイカツ!グループ仲間の1人が上級救命技能認定証保持者であったこともあって、倒れた人が救急搬送されるまでの間の対応にあたったのだという。それ以降は有志でアクエリアスやいろはす等を買い集めてきて、並んでいる人に配りながら見回りをしていたのだが、それをやっていたのが全て会場に来ていた観客だったのである。それじゃあ、物販のスタッフは何をしていたのか?というと、今回の救急搬送された件があったことを受けて物販スタッフがやったことは「熱中症に注意!」と書かれた張り紙をするのと列の組み換えをしただけだったのである。たったそれだけしかしてやっていないのである。
その時の物販会場でスタッフと客がやっていたことをわかりやすく比較すると、こんな感じになる。
☆物販のスタッフがやっていたこと
- 物販待機列を形成する
- 救急車到着後は近くに行っただけで対応せず「熱中症に注意!」という張り紙をしただけ
☆物販待機列に並んでいた人達がやっていたこと
- 物販待機列や完売情報の情報を逐一共有する
- 熱中症で倒れた人のために救急車を呼ぶ
- 救急搬送までの対応を迅速に行う
- 水やスポーツドリンク等を買ってきて待機列に並んでいる人達に配る
- 物販待機列の見回りをしながら、待機列に並んでいる人達に声掛けをする
上記のことを見てもらうとわかると思うのだが「これ、本来はスタッフがやることじゃないのか?」と思うことを物販待機列に並んでいる人達がやっていたという驚きの事実なのである。さらには後日物販があることをこの日のライブの後に発表したということもあり、私はこの出来事からアイカツ!シリーズの運営に対する不信感が芽生えていった。
こういった運営のいい加減さが目に見えて目立ってしまうと長年愛していたファンも愛想をつかして離れていってしまうというものである。この運営のやり方が下手くそすぎるというのもアイカツ!シリーズがオワコンとなった原因の1つと言えるだろう。
④ 『アイカツプラネット!』で半実写化したためと、そもそも時期が悪すぎた
これに関してはアイカツ!シリーズのオワコンになってしまったことに対してトドメを刺してしまった要素と言えるだろう。
『アイカツプラネット!』は3年前の生配信で発表されたアイカツ!シリーズの新プロジェクトだったのだが、半実写化ということもあり発表当時は大炎上🔥した挙句、肝心な内容には触れておらず出演する演者の自己紹介とどうでもいい話をしただけだったことも多くの古参を怒らせることになった。
これは上記にある運営のやり方が下手くそという点にも共通してくるのだが『アイカツプラネット!』に出演する演者がもの見事にスターダストプロモーション(ももいろクローバーZや私立恵比寿中学等が所属している芸能事務所)の新人で固まっていたため、そのスターダストプロモーションの新人を売り出そうとしている意図が見え見えだったことも古参のファンに不信感を抱かせることとなった。
これだけに終わらず『アイカツプラネット!』からは筐体が新しいものとシステムに変わり、ゲームに使うものがカードではなくスイングというひし形のメンコのような物になったことで初代からオンパレード!の時まで一貫していた「芸能人はカードが命」という概念すら捨てることになったことで古参のファンが一気に離れていってしまった。
そういったことからアイカツ!からアイカツスターズ!に変わった時以上に古参のファンが一気に離れていったことで売上と人気がコンテンツの継続ができなくなるほどまでに落ちる結果となった。私からすれば案の定といった結果である。
『アイカツプラネット!』が始まった時期は今でも続いているコロナ禍の真っ只中ということもあって、宣伝活動も含めてアイカツ!シリーズでは恒例でやっていたミニライブを一度もできずに来てしまったことも大きいだろう。そういったことからプラネットで実写路線に切り替えるには、そもそもやる時期が悪すぎたとも言える。
⑤ 女児向け作品自体の需要がなくなってきているため
これはアイカツ!シリーズに限った話ではないのだが、ここ数年で女児向け作品シリーズが一気に終了し、結果的にまともに残っている女児向け作品シリーズが今年でシリーズ20周年を迎えたプリキュアシリーズのみとなってしまっているのだ。結果的に現在の女児向け作品はプリキュアシリーズの一強時代に戻ってしまっている。
数年前までは女児向け作品はプリキュアシリーズの他に実写作品だったガールズ戦士シリーズやサンリオの女児向けアニメだったミュークルドリーミー、アイカツ!シリーズとそのライバル関係であるプリティーシリーズとこれだけの種類の女児向け作品が地上波で放送もされていたのだが、今年の時点で地上派で生き残っているのはプリキュアシリーズのみという現状なのだ。
こういったことから、今は女児向け作品自体の需要がなくなってきているのではないかという解釈ができる。ならば今の女児は何を観ているのか?何が好きなのか?という疑問に当然行きつくのだが、それはプリキュアシリーズ以外ならば映画の無限列車編での興行収入が約400憶にもなった鬼滅の刃やアーニャが人気なSPY FAMILY等のジャンプ作品であると言えるだろう。
ただ、今の現状は女児向け作品全体のピンチとも言える。というのも今のところ唯一、地上派で生き残っているプリキュアシリーズが終わってしまった場合、新しい女児向け作品が生まれなくなってしまうということにもなりかねない。プリキュアシリーズに対抗しうる女児向け作品シリーズがこの先、何かしら出てきてくれれば話は別になるのだが、果たしてどうなることやら。
ここまでアイカツ!シリーズがオワコンになってしまった原因を私なりの考察と共に書いてきたが、これだけの要素が揃っていれば現在のようなオワコンになってしまうことは無理もないことだろう。
☆アイカツはまだ終わらない(らしい)?
先日に東京ガーデンシアターで開催された『アイカツ!シリーズ10th ANNIVERSARY アイカツ!ミュージックフェスタ FINAL』の後にシリーズの公式陣である加藤陽一さんと内古閑智之さんが何やら意味深なツイートをしていたため、こちらを載せておく。
前に思いついた新たなお話について、二日間のライブを観ながら、さらにいろいろ思いついて。
— Yoichi Kato / 加藤 陽一 (@yoichi_kato) 2023年2月19日
アイディアが詰まってきたので、ほんとにそろそろ企画書書こう、という刺激ももらいました!
これで少し長い青春時代のようだった仕事も終わりかぁと感傷的になりそうだけど、すぐアイカツ!仕事の〆切がいくつかあって、僕はまだまだFINALじゃないので今後とも応援よろしくお願いします。
— 内古閑智之[CHP] (@uchikoga) 2023年2月19日
これに関しては新しい話の案があるらしいが、今から企画書を書くかもしれないという段階であるため、新作が出るとしても今すぐといったわけではないだろうし、その時の新作のタイトルにアイカツという名前がついているとも限らない。聞いた話によるとその新作は2クール分(半年分)くらいで考えているらしいが、真相は公式陣のみぞ知るといったところか。
さらには先日に行われた映画『アイカツ!10th Story~未来へのSTARWAY~』でのコメンタリー上映会でも「アイカツ!というコンテンツを終わらせる気はない」という話があったようだ。細かい情報を探っていくと「アイカツはまだ終わらない」ということなのだろうが、それと同時に「現状の予定はない」に近いニュアンスとも解釈できるため今後、新作があるとしてもコンテンツとしてはしばらくの間、休眠期間に入ることは間違いなさそうだ。
【稼働終了スケジュールについて】
— アイカツ!シリーズ データカードダス公式 (@aikatsu_dcd) 2023年2月24日
「データカードダス アイカツプラネット!」のアイカツ!マシンは2023年3月30日(木)までに順次稼働終了いたします
公式LINE・公式HPマイページ機能は 2023年3月30日(木)をもって終了いたします
ご愛顧いただきました皆様には厚く御礼申し上げます
こうして現行筐体である『アイカツプラネット!』のサービス終了日も決まったことで
- 地上波は既に終了
- web配信も既に終了
- オフィシャルショップは全店閉店
- デザマことデザインマートも閉店
- 5ヶ月連続で開催されていたライブも先日に終了
- 映画は順次公開終了
- 10周年記念コラボイベントも順次終了
- 筐体も来月末にサービス終了
といった感じでコンテンツとしては誰がどう見ても終わるだろうと思っても仕方がないような現状なのである。これで公式陣が「アイカツというコンテンツを終わらせる気がない」と言ったところで説得力が皆無であると私は思っている。
かつては本気で愛していた作品だっただけにこうして目に見えてコンテンツが終わりに向かっていく姿を見るのは正直なところ、とても虚しい。今更何を言ったところで無駄だろうが、もっと運営や販売戦略のやり方が色々あっただろうと私は言いたい。
こうなってしまった以上は私はもうアイカツとはさよならして、今ハマっているコンテンツであるウマ娘のトレーナー業に専念することにする。一時期とはいえ、アイカツ!シリーズには色々と楽しませてもらったよ。
アイカツ!シリーズよバイバイ!今は安らかに眠るといい。